今日から夏の土用に入りました。
7月20日〜8月6日までの期間を土用と言います。

土用とは
次の季節への移行期間で、過ぎてゆく季節と次に訪れる新しい季節の
移り変わりを緩やかに交代させる働きをしています。

季節はいきなり冬から春、春から夏へと変わるものではありません。

土用というと7月の土用の丑の日を思い浮かべる方が多いと思います。

実は本来、春夏秋冬の全てに土用があります。

陰陽五行思想では、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていると考えます。

季節もこの5つの要素に当てはめて、春は木、夏は火、秋は金、冬は水の気と考えられました。

一年には四季があり、季節が始まる日を立つと表し、
それぞれ立春・立夏・立秋・立冬といい、
その季節の始まる前18日間から19日間が土用です。

例えば冬から春へは三寒四温を繰り返しひと雨ごとに暖かくなって、
徐々に季節が移り変わっていきます。

この時季は土の気が盛んになるとされ、土用とは
土旺用事(どおうようじ)という言葉が縮まった言葉で、
新しい命が芽生え、古い命が還っていくという
「土の気がさかんになり事を用うる」=「土の気が最も旺盛に働く期間」という意味です。

土の働きは蒔いた種が実って収穫できるように、
ものを育み変化させる作用があります。

そこから季節を変化させるという期間を土用とよぶようになりました。

季節の変わり目には、体調を崩したりしやすく、
この土用の期間は、養生する期間にもなります。

土用餅、土用しじみなど滋養のつくものを食べたり、
土用鍼、土用灸などをし、医学が発達していなかった
昔からこの期間は体調管理に気をつけていました。

夏の土用には「う」のつくものを食すとよいとされています。

また、昔からこの期間は「土公神(どくしん)」という土を司る神様が、
土の中におられるので土を動かしてはいけないという言い伝えがあり、
土いじり、草むしり、柱立て、基礎工事、壁塗り、井戸掘りなどを含む穴掘り、
増改築などはだめです。

ただ、土用前に着手した農作業や増改築についてはやってもよいと言われています。

土の気(エネルギー)が変化するため、変動が起こりやすいといわれているので、
転職、就職、結婚、結納、開業、開店、新居購入などの新しこともしては
いけないと言われています。

現代では、土用の禁忌を知らないという方がほとんどですが、
自然とともに暮らしていた昔は、自然や神を畏れ敬っていた人々にとっては
無視できない期間でもありました。

そこで、「土用の間日」と呼ばれる日があり、
この日は土公神が天上に行く日で土を離れるので、
土を動かしても問題がないと言われる日をもうけています。

今年の夏の土用の間日は
7月25日 (月)・7月26日 (火)・7月30日 (土)・8月6日 (土)です。

1年365日には十二支が当てはめられており、土用の期間の丑の日ということです。

2022年の夏の土用の期間は7月23日と8月4日と丑の日が2回あります。

夏の土用の丑の日には、昔からうなぎを食べますが、
実はこれは江戸時代に平賀源内が商売に困った鰻屋を助けるために
仕掛けたイベントだと言われています。

ただ、実際に鰻はこの時期には万能な食材です丑の日には『う』のつく食べ物、
うり、うなぎ、うどん、烏骨鶏などがいいと言われています。貧血にもなりやすいので、
精のつくものを食べましょう。