このたびは、和処Re楽の閉店に際し、
本当にたくさんのお客様にご来店いただき、
また数えきれないほどの温かいお言葉とお心遣いを賜り、
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
遠くは青森からもわざわざ足をお運びいただき、
「大将の最後の料理を絶対に食べたくて」と、
涙ながらにお言葉をかけていただきました。
「これから開花する」との想いを込めて、
百合の蕾の花束を届けてくださいましたお客様の優しさに、
大将も私も深く胸を打たれ、その蕾に託されたメッセージが、
まるで私どもの背中を優しく押してくださるような気がしました。
33年前の平成3年大阪曽根崎の地で産声を上げて、
開店当初、右も左もわからなかった私どもを、
時に厳しく、時に優しくご指導くださいましたお客様。
毎週欠かさずご来店くださり家族の様に接して下ったお客様
長きに渡り人生の節目ごとに当店を思い出していただき、
お子様やお孫様と共に足を運んでくださいましたお客様。
お忙しい中、 最後の一品まで味わっていただきました皆様。
その一つ一つ紡いできた縁の深さに、
ただ頭を下げることしかできませんでした。
今も涙があふれてまいります。
最終日、大将は包丁を置きながら、こう申しました。
「これからは今まで培った技と心を、次の世代に伝えていく」と
大阪寿司の伝統を守りながら、新しい味も追求してきた経験を、
若い料理人たちに伝えることが、お客様への恩返しになると信じております。
私もまた、皆様から教えていただいた
「人との出会いの大切さ」「おもてなしの心」 を胸に、
後進の指導に携わってまいりたいと考えております。
女将として過ごした28年で得た学びを、
次を担う方々へ伝えることで、
皆様への感謝を形にできればと存じます。
大将は「師匠から受け継いだ大阪寿司の味を守り通せたよな!」と、
晴れやかな表情を見せながらも、
「これからは療養に専念し、 必ず元気になって、またお客様にお会いしたい」と、
涙ながらに申しております。
長年にわたり温かく見守り、育ててくださいました皆様との出会いは、
私ども夫婦の誇りであり、かけがえのない宝物でございます。
この感謝の気持ちは、生涯変わることはございません。
これほどまでの深い愛情を注いでいただきましたことに、
重ねて心より感謝申し上げます。
最後になりましたが、
皆様の末永いご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
令和6年11月吉日
和処Re楽
店主 裏野 功
女将 裏野 由美子