女将のゆみこです。
前回は
何故和食のマナーを学ぶのか?
についてお伝えしました。
それは「相手に恥をかかせないため」だと
お伝えしました。
そしてもう一つちょっと重要なことがあります。
和食のマナーでは、
~マナーの一番できていない人に合わせてあげる~
ということです。
例えば、自分はマナーをよく知っていて
マナーの出来ていない人の前で、
私はマナーができているのすごいでしょ!!
見てみて!!というのは
相手に恥をかかせることになるので、
マナー違反になります。
こういう人よくいらっしゃいますね。
![](https://wadokoro-reraku.jp/wp-content/uploads/2019/05/img_8619-225x300.jpg)
当店に来られた若いカップルもそうでした。
きっと付き合い始めたばかりなんでしょう。
彼女はあまりマナーを知らないようでしたが、
彼は、僕はマナー知ってるのすごいでしょ!と
いわんばかりに、
お箸の上げ下ろし、
お椀の持ち方も基本どうりにされていました。
(こちらから見ると、本を読んで学んできたな!)という
感じで・・・あまりにも不自然過ぎたのですが・・・
ふと、彼女を見ると、面白くなさそう・・・
そうです。
彼は、彼女に恥をかかせているのです。
せっかくのデートなのに、もったいない
彼からしたら、
彼女から「私の彼マナーもできていて凄いでしょ!」と
思ってもらえると思っていたのでしょうか。
しかし実際は違うのです。
彼女がマナーを知らない、出来ていないと思ったら、
彼女に教えてあげるというのもいいですが、
「俺もマナーあんまりわからんねん。」
「すみません、これってどうやって食べたらいいんですか?」
「お箸の正式な持ち方ってどうするんですか?」
とお店の方に聞くなどすれば、
彼女も一緒に学ぶことが出来るのです。
特に当店は、
大将も私も教えたくてうずうずしているので
何でも聞いて~という感じです。
また、その時に助け船を出すかどうかは、
店側の力量になります。
だってマナーマナーといって
実際のお料理の味がわからなかったじゃ
本末転倒ですからね。
お客様になんかあの店良かったな。と
ふっと思っていただけるよう日々精進です。
そのカップルには、
マナーなんて気にならないよう
こちらから面白いお話を振って
会話を楽しんで頂きました。
相手を思う気持ちがあれば
自然とマナーは出来ているし気にならないものです。