女将のゆみこです。
今回は、「和食のマナー講座」の一部からお造りなどを盛り付ける場合の盛り付ける数のお話をします。
きれいに盛り付けられているお造りをみると、食べるのがもったいないと思ってしまいますが、この盛り付け方にもいろいろと決まりがあります。
奇数で盛り付け
まず、お造りなどを盛り付ける場合は奇数で盛り付けます。
例えば、3種類とか5種類、7種類といった具合です。
なぜなら、日本では縁起が良い数字は「奇数」とされているからです。これは中国の陰陽道から伝わり奇数は陽の数字ゆえに吉、偶数は陰の数字だから凶なのだそうです。
日経新聞の記事によると、昔から「奇数吉、偶数凶」といわれており、「喜び事は奇数」「悲しみ事は偶数」にするということです。
例えば、「おまんじゅう」をお皿に盛る時、慶事には奇数で整え、弔事には偶数で整えるということです。
お店のメニューにも4種盛造り、6種盛造りよりも3種盛造りや5種盛造りと表示しているお店が多いと思います。
ただ、日本では【8】は偶数ですが末広がりで縁起が良いとされていますし、丼などについてくる沢庵は2切れで偶数ですが、1切れだったら寂しいし、3切れは身を切るということから偶数の2切れにしているそうです。
お造りの3種盛りでも、3種類のお魚を2切れづつ盛り付けるといった具合でしょうか。
現代においては、奇数か偶数かをそれほど気にする人も少なくなってきたようですが、私の和食のマナー講座では、料理の盛り付けには一応決まりがあるので、
その決まりを知ったうえで、偶数で出されたから縁起が悪いとか奇数で出されたから縁起がいいというのではなく、相手の想いを汲み陰も大事、陽も大事、そしてどちらにも偏らない中庸も大事という事をお伝えしております。