節分の丸かぶりいつから？

大将お疲れ様です。今日は、朝早くから福巻(恵方巻き)を巻き終えた大将に節分について語ってもらいます。

疲れているところごめんね！

うちは予約の分しか巻かないので、余裕や！

そやね。大阪寿司夷左翁(いさお)の時には、大丸心斎橋店さんに出していたので、最高で800本売ったからね。

あの頃は、わしも若かったし職人さん４人で巻いてたから、1人200本ずつやったんで、巻くのは楽勝やったけど、仕込みが大変やった。

そういえば、玉子焼きを巻くのに女将と２人で徹夜したなぁー

そうそう、あの時は玉子焼き160本巻いたから、1人80本ずつで気が遠くなったのを覚えてるわ。

玉子800個を割るのに、腱鞘炎になるかと思ったわ。

まぁーようやったなぁー

今やれと言われても無理ですからね。

そんな怖いこと誰も言えません。

お願いします。

そうそう、ところで、節分にどうして、巻き寿司を丸かぶりするようになったん？

最初は、江戸時代から明治にかけて大阪で商売繁昌を願って始まったみたいや。商売繁盛の運を一気に頂くという意味で、巻き寿司を丸かぶりしてたみたいやな。

戦後、巻き寿司を鬼の金棒に見立てて、丸かぶりして魔をやっつけるという意味を込め、寿司屋の後押しもあり、海苔問屋が仕掛けて大阪では有名になったと言われてる。

そういえば、いつも海苔屋さんが恵方巻きのポスターを持ってきてはった。

そやろ！

昔の大阪海苔問屋組合のポスターには、「節分の夜、恵方に向かって無言で家族揃って巻き寿司を丸かぶりすると、必ず幸福が回ってくると、昔から伝えられています。」と書いてたみたいや。

やっぱり仕掛け人がいたんやね。

まぁ、そのおかげで、寿司屋は喜んでるけどな。

恵方巻が、全国で広まったのは、コンビニ業界が全国販売を始めたからやけど、最近は恵方巻の廃棄で色々と問題になってるね。

日本は、輸入した食材と同じぐらいの食材を廃棄してるとか言われてるけど、そうなれば全くの無駄やな。

日本の食文化の根本は何やった？

私の和食のマナー講座では、「命を頂き命を繋ぐこと」と言っています。

そうや。

だから、自然にあるもの(命あるもの)を無駄にしない。自然と共存する。

命あるものを頂いて、私たちの命を生かしていますからね。

だから、その命(食材)を余すところなく、どう美味しく、どう食べやすくするか、それが料理の技術であり、わしら料理人の腕の見せ所や！

^_^ということで、今日の節分の丸かぶりは、命を余すことなく頂くという想いで、無言で召し上がって下さいね。