女将のゆみこです。
前回はお箸の格ということで、
祝箸・割りばし・塗り箸の順番で
格付けされているというお話でした。
そこで、お客様をおもてなしする際
割り箸なら何でもいいのか?
というご質問が出てきましたが、
割りばしにも格がありますよということで、
今回は割りばしの格付けランキングです。
まず、割り箸には
利久箸・天削げ箸・元禄箸・丁六箸など
他にも様々な種類がありますが、
料理屋さんで使うお箸は
大体この4種類です。
まず、利久箸
千利休さんが、安土桃山時代に考案されたお箸で、
中央を太くし、両端を細く削っているお箸です。
両端が細くなっているのは、
前回もお伝えしたように
神様に捧げた天からの恵みを
私たちも共に頂きますという意味の
「神人共食」を表しています。
利休さんは、お茶席にお客様を招く日には
自ら竹を切り、小刀で一本一本両端を削り丸みを持たせ、
お客様が持ちやすく食べやすいようにと
相手を思いながら、お箸を作っていたそうです。
削りたてのお箸からは、
何とも言えない香りがし、
お客様に癒しを与え、心を豊かにしていたでしょうね。
現在は、竹ではなく杉材で作られていますが、
この割箸は1本ずつに分かれているので、
「一本利久箸」と呼ばれたり、
中央が太く先が細くなっているため
「卵中箸」とも呼ばれ、
子孫繁栄を意味するともいわれています。
前々回のブログでお伝えした
会席料理で出てくるお箸です。
ばらばらにならないように、
真ん中に帯がしていますが、
一本つづ抜けばスッと抜けます。
また、同じ利久箸でも
一本ずつばらばらであったのを
明治末期に新型の割箸として考案されたのが、
中央を太くし、両端を細く削って面を取っていますが、
二本が合わさっていています(現在の割りばしと同じです)
これは、仲の良い夫婦の様に一緒になっているところから
「夫婦利久」と呼ばれていたこともあります。
その反対で、割り箸は
仲を割るという意味から、
祝箸はお祝いの席のお箸なので、
割りばしの中には入れず、
割りばしより格が上になります。
割りばしでも、
引っ付いているから仲がいい
仲を割るから縁起が悪いと
視点を変えると解釈も変わってくるので、
面白いですね。
少し長くなったので、
次回は割りばしの格付けランキング二位の
天削げ箸についてお伝えします。
おおきに~