女将

ちょっと聞きたいことがあんねんけど

切れる包丁で食材を切ったら味が15%アップする!ということをテレビで言ってたけど

ほんま?

 

大将

そやな。

まぁ味がアップするといえばするし、アップせえへんといえばアップせえへん。

 

女将

どういう意味?

 

大将

なんぼ切れる包丁でも、食材を切る人の腕によるところが大きいな~

 

女将

え~主婦でも良く切れる包丁で切ったら、美味しくなるっていってたよ。

 

大将

美味しくなるというのとはちょっとちゃうんとちゃうかな。

どこまでを求めているのかわからんけど・・・

刺身なんかは、切れる包丁を使うのはもちろんやけど、切る人の腕の方がウエートが高いとおもう。

 

女将

切れる包丁を使っても、それをちゃんと使いこなせなかったらあかんということ?

 

大将

一般論としては、切れない包丁より切れる包丁を使ったほうが食材の繊維を壊さないということで味が落ちない。味が美味しくなるわけではない。

また、同じ包丁でも、素人よりプロが切ったほうが、食材の本来の味や鮮度をそのまま保てるので、味が落ちない。

要するに、切れない包丁と切れる包丁を比べた場合、切れない包丁より切れる包丁で切ったものの方が、本来の味をそのまま食べられるので、美味しく感じる。

その食材のもつ本来の味がアップしたわけでなく、本来の味をみんなが知らんかったということ。

 

女将

女将:ななるほど、そういうことか。15%味がアップするというから本来の味から15%アップするのかと思った。切れる包丁と切れない包丁とでは、味の違いが15%あるということやね。

 

大将

そういうことやな。

話は少し変わるけど、職人の世界では、切れる包丁を使うのはもちろんやけど、切れるにもレベルがある。

これは、「あともう一息」を知っている職人と知らない職人の差。

この「あともう一息」を覚えるのに包丁研ぎがあるねんけど、ちょっと長くなったので、次回にしよか。

 

女将

そうやね。

 

では、次回は「あともう一息」についてです。